ましもと内科呼吸器科

山口市湯田温泉の呼吸器内科、内科、アレルギー科 ましもと内科呼吸器科

〒753-0056 山口県山口市湯田温泉三丁目1番24号
TEL 083-934-0077

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よくある質問

家族(60歳、女性)が非結核性抗酸菌症と診断されました。どのような病気なのでしょうか。

 非結核性抗酸菌症は、非結核性とあるように、結核菌以外の抗酸菌という菌による感染症で、肺感染症をおこします。
 結核菌以外で、肺感染症をおこす抗酸菌にはいろいろな種類があります。わが国ではマック菌(アビウム菌とイントラセルラーレ菌を併せたもの)が最も多いことより、この病気はマック症とも言われています。
 近年、この病気は中高年の女性中心に急増しています。結核症とは違い、ヒトからヒトには感染しません。この菌は水や土に広く生息しているので、そうした環境から感染すると考えられています。
 この病気は結核よりはゆっくりと進行し、病変の消長を繰り返しながら、10-20年かけて悪化していきます。進行すると、咳、痰、血痰、発熱などがみられますが、最初は自覚症状はなく、健診の胸部X線写真で偶然見つかることも多い病気です。
 診断は、胸部CTでの比較的特徴的な陰影に加え、喀痰の培養検査で同じ菌が2回以上検出されることが必要です。
 この病気の厄介なことは、結核症とは違い、薬が効きにくいことです。非結核性抗酸菌症の大部分を占めるマック症に対して、数種類の抗結核薬とクラリスロマイシンという抗生剤を1年以上使用しますが、治療に難渋したり、再発したりする症例も存在します。
 自覚症状のない人や、高齢者に対しては、無治療で経過をみる選択肢もあります。


 

 

乾いた頑固な咳が持続し、熱が下がりません。抗生物質が効きません。子供も同じ症状でした。
マイコプラズマ肺炎でしょうか。

 その可能性は十分あります。
 マイコプラズマ肺炎はうつる肺炎の代表的なものです。肺炎の中でも、乾いた頑固な咳が特徴的で、子供さんから比較的若い人に多くみられ、潜伏期間は2-3週間と比較的長く、インフルエンザほどではありませんが、学校や職場で流行し、家族内感染もみられます。
 高熱の割に見た目は比較的元気で、ウォーキング・ニューモニア(歩く肺炎)と呼ばれています。これは、症状が進んでも「歩き回れる程元気である」ことを意味しています。
 マイコプラズマに感染すると、発熱や頭痛、だるさなどのかぜ症状で始まり、その後、痰の絡まない乾いた咳が強くなります。
 マイコプラズマ肺炎は、かぜでよく使われるセフェム系という抗生物質が効かず、マクロライドやキノロンという抗生物質しか効果がなく、適切な診断・治療がなされないと、遷延化したり、まれに呼吸不全を呈し、重症化したりします。
 診断に関して、まずは胸部X線で肺炎の診断をしますが、胸部X線だけでマイコプラズマ肺炎かどうかの判断はできません。
 マイコプラズマ肺炎では一般に白血球数は増加せず、炎症反応の目安であるCRPはあまり高くなりません。
 従来、マイコプラズマ肺炎の確定診断は血液検査でなされていました。1回だけの血液検査ではなく、1-2週間後にもう一度血液検査をして、抗体価の上昇を確認することが必要で、患者さんの負担.や迅速性がないことよりあまり実用的ではありませんでした。
 最近では咽頭を綿棒で拭った検体を用い、マイコプラズマの抗原を確認する迅速診断が普及してきましたが、その診断精度はまだ満足できるものではありません。
 当院ではその咽頭拭い検体を用い、感染症の迅速診断装置である「富士ドライケムイムノAG1」にて15分で自動判定し、より精度の高いマイコプラズマ肺炎の診断を実践しています。
 

熱はありませんが、数週間、咳が持続するので、病院を受診したところ、肺炎と診断されました。
熱のない肺炎は多いのでしょうか。

 一般に、肺炎には熱と咳がみられます。
 しかし、熱がなく、持続する咳で見つかる肺炎は珍しいことではありません。ただ、熱のない肺炎の中には、まれに結核や肺がんなどが紛れ込んでいますので、注意してください。
 また、胸痛だけでみつかる肺炎や、高熱が出ていても咳がない肺炎もたまに存在します。
 お年寄りの場合、熱や咳などの呼吸器症状がなく、元気がない、食事がとれないなどの症状で、進行した肺炎が見つかることもあり、注意が必要です。

 

肺炎を短期間に繰り返すのですが、何故でしょうか。

 普通の胸部X線でははっきりしない、気管支拡張症やCOPD(肺気腫)、肺癌などが隠れている可能性があります。一度胸部CTを撮ったほうが良いと思います。
 また、高齢者に多い原因として嚥下性(誤嚥性)肺炎があります。高齢になると、嚥下(飲み込み)がうまくできず、むせる(咳き込む)ことがあります。このむせる反射があるうちはいいのですが、種々の疾患(痴呆症、脳血管障害など)でこの反射が低下すると、口の中の食べ物や唾液がむせることなく、肺に入り、肺炎を起こします。
 その予防として、口腔ケア(ブラッシングとうがい)が大事で、口の中をきれいにして、雑菌を減らすことで肺炎を減らせます。
 また、肺炎の予防として、肺炎球菌ワクチンを打つことも重要です。

 

65歳以上の高齢者の肺炎を予防するワクチンには2種類あると聞きました。どう違い、どう使うのですか。

 大人の肺炎を予防するワクチンには、ニューモバックス(莢膜ポリサッカライドワクチン)プレベナー(蛋白結合ワクチン)という2つのワクチンがあります。
 この2つのワクチンは、日常生活でみられる肺炎の原因菌として、最も多い肺炎球菌に対するもので、肺炎球菌ワクチンと呼ばれています。
 ニューモバックスを接種すると肺炎球菌に対する抗体が体の中で作られます。肺炎を起こす肺炎球菌の80%をカバーしますが、免疫記憶を確立しないため、5年以上の間隔をあけて、追加接種が必要になります。このワクチンには公的助成があります。 
 プレベナーを接種しても同様に肺炎球菌に対する抗体が作られますが、肺炎を起こす肺炎球菌のカバー率は、ニューモバックスより低く、60-70%です。しかし、免疫記憶と呼ばれる免疫を得ることができ、強力な予防効果が得られます。このワクチンには公的助成はありませんが、1回の注射だけで終生効果がみられます。
 この2つのワクチンを連続接種することで、より効果的な肺炎の予防が可能になりました。この2つのワクチン接種のスケジュールにはいろいろありますが、まずは助成制度のあるニューモバックスを接種し、基礎疾患のある人や肺炎を繰り返す人は、1年以上あけて、プレベナーの接種をお勧めします。

 

咳止めを飲んでも、1か月咳が止まりません。

 
 止まらない咳で、多くの患者さんが当院を受診されます。
 当院では、長引く咳の患者さんに対して、まずは胸部X線を撮り、肺炎、結核、肺がんなどの病気がないことを確認します。
 病歴や診察は重要であり、必要であれば呼気NO検査や肺機能検査、血液検査などを行い、最終的には胸部CT検査をすることもあります。
 慢性の咳の原因として、1)感染後咳嗽、2)咳喘息、3)アトピー咳嗽、4)上気道咳嗽症候群(後鼻漏症候群)、5)感染症(マイコプラズマ、百日咳)、6)逆流性食道炎、7)心因性咳嗽などの多くの病気があります。
 これらの病気が複数合併したり、診断が確定せず、治療にもかかわらず咳が持続する、一筋縄では行かない症例も多々あります。

 1)感染後咳嗽;
 かぜ症候群後咳嗽とも言い、長引く咳の原因として最も多いものです。ウイルス感染などで気道粘膜が障害され、その修復に時間がかかると、咳が長引きます。咳のピークが過ぎていれば、対症療法で経過をみます。
 2)
咳喘息
 
喘鳴(ぜーぜー、ヒューヒュー)や呼吸困難を伴わず、咳だけを主訴とし、喘息の前段階と考えられます。夜中や明け方に咳が強くなり、慢性の咳の原因として比較的多く、一般に呼気中NO値が高くなります。喘息の治療(吸入ステロイド)で速やかに軽快します。
 3)アトピー咳嗽;
 アトピー素因を有する中年女性に多く、咽頭部の掻痒感を伴う乾性咳嗽が特徴です。確定診断は難しいのですが、咳喘息とは違い、
一般に呼気中NO値は高くなりません。
 治療としては、咳喘息と同じく、吸入ステロイドや、抗アレルギー剤が効果的です。
 4)
上気道咳嗽症候群(後鼻漏症候群);
 上気道の鼻炎・副鼻腔炎などによる咳です。かぜの後に、のどのイガイガが残り、のどに落ちてくる粘度の高い鼻汁が切れにくく、発作的な激しい咳を繰り返します。起床後と、就寝前後が好発時間です。抗アレルギー剤や抗生物質が効きます。
 5)感染症(マイコプラズマ、百日咳);
 マイコプラズマ、百日咳とも、乾性咳嗽で、早期に診断し、適切な抗生剤(マクロライド系)を使用しないと咳が長引きます。
 当院では、マイコプラズマの診断は咽頭拭い液を使用して、15分で結果が出ます。
 百日咳の場合、発症後4週間以内であれば、鼻腔拭い液から百日咳の遺伝子を検出することにより診断します(外注しますので、数日時間がかかります)。発症後4週間経過していれば、血清診断をします。
 6)逆流性食道炎;
 日本では長引く咳の原因として多くはありませんが
胃酸の逆流が乾性咳嗽を誘発します。典型的には胸やけなどの症状を伴い、食事、起床、上半身前屈などにより悪化します。治療には胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬)を使用しますが、即効性はなく、2か月以上投与して、効果判定を行います。
 胸やけ症状がない例もあり、このような場合、
胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬)による治療的診断をすることもあります。
 7)心因性咳嗽;
 咳は睡眠中や別のことに集中している時には軽減します。犬の吠えるような、警笛のような大きな咳の割には重篤感が乏しいのが特徴です。


 

 

大人にも百日咳感染はあるのですか。

 百日咳は百日咳菌によって引き起こされる急性の気道感染症です。百日咳菌は毒素を産生し、その結果、激しい咳が長引きます。元来、百日咳は乳幼児、小児の疾患でしたが、近年成人の罹患が増えています。
 典型的な症状は、1)吸気性笛声(息を吸うときに笛のようなヒューという音が出る、2)発作性の連続性の咳き込み、3)咳き込み後の嘔吐、4)無呼吸発作ですが、成人でこのような典型的な症状を呈することは多くありません。
 熱がなく、治療抵抗性の、痰のない咳が持続し、特に、周囲に百日咳感染者や、百日咳が疑われるような咳をしている人がいる場合、百日咳の可能性があります。未治療の大人の百日咳は子供への感染源となりますので、積極的な検査、治療が求められます。

健診の胸部レントゲン写真で異常を指摘されました。どうしたらよいのでしょうか。

 健診結果の通知を受け、びっくりされる方も多いと思います。健診で異常ありとされても、精密検査で本当に異常がある人はわずかです。
 受診される場合は、胸部CT検査や肺機能検査のできる医療機関を選んでください。健診は病気を早期に見つけることが目的ですので、少しでも疑わしい陰影があれば、異常と判定されるのです。
 本当は異常がないのに異常影としてひっかかる例として、肺の中を走る血管や気管支、肺の外の肋骨などの陰影、乳頭の陰影などです。また、治療の必要のない肺や胸膜の古い傷痕が指摘されることもあります。
 もちろん、これらはすべて精密検査でわかることであって、異常影の中には肺癌や結核などの重大な病気が隠れています。
 当院では初診時にすぐにヘリカルCT検査(検査時間数分)が受けられます。
 健診で異常を指摘されたら、不安な時間を過ごされるよりまずは受診してください。

 

毎年胸部レントゲン写真による肺癌検診を受けていますが、これで十分でしょうか。

 厚労省は今までの癌検診の有効性を報告しました。それによると、胃癌検診、子宮癌検診は有効であったが、肺癌検診は不十分であったと評価しています。
 現在行われている肺癌検診は胸部レントゲン写真に喀痰細胞診が組み合わされていますが、この方法では治る肺癌を見つけ出すのは限界があるということです。
 肺癌は最近急速に増加しています。肺癌の死亡率は高いのですが、その原因として、肺癌が他の癌に比して、もともと治りにくい癌であるということと、発見時にすでにかなり進行していることが多いためです。検診のレントゲン写真で2cm以下の小さな、助かる肺癌を見つけるのは至難の業です。
 さらに、レントゲン写真では、肺癌が心臓や横隔膜、肋骨や鎖骨などに重なった場合見落とされる、いわゆる死角が存在します。
 ヘリカルCTではこのような死角はなく、非常に解析度がよく、5mm大の肺癌でも発見することが可能です。いわゆる癌年齢にある人や、肺癌の危険因子のある人(喫煙者、COPD(肺気腫)、間質性肺炎、肺のう胞、塵肺、アスベスト症など)、家族に肺癌の方がいる人などにはヘリカルCT検査をお勧めします。
 米国の国立がん研究所(NCI)は、CT検診により検診受診集団の肺がん死亡率が減少するか否かを調べる大規模な臨床試験を、55~74歳の重喫煙者を対象に行いました。
 その結果、胸部単純エックス線検診群に比べ低線量肺がんCT検診群の肺がん死亡率が約20%減少し、総死亡(肺がん以外の原因も含めた死亡)も6.7%減少したことが報告されています。

 

ましもと内科呼吸器科での成人の喘息治療について教えてください。

 現時点では喘息の完治は困難で、喘息は薬でコントロールすべきものと考えられています。当院では飲み薬よりも副作用が少なく、効果のある吸入中心の治療を行っています。
 ファーストステップとして、吸入ステロイド薬と、長時間作働性吸入β2刺激薬の合剤であるレルベアやアドエア、シムビコートなどでまず治療を開始します。吸入ステロイド薬(フルタイド、パルミコート、アズマネックス、キュバールなど)と、長時間作働性吸入β2刺激薬(セレベント)を併用をすることもあり、その後改善していけば減量していきます。
 効果不十分であればテオフィリン徐放製剤(テオドール、テオフィリン)やロイコトリエン受容体拮抗薬(プランルカスト、モンテルカスト)の内服を加えていきます。さらに、難治例には長時間作用型の抗コリン薬(LAMA)や、リノジェット(インタール)の吸入も考慮し、ピークフローメーターという器具で喘息日記をつけ、自己管理してもらうこともあります。
 風邪などをきっかけに喘息が急に悪化することがあります。その時には発作止めである短時間作働性吸入β2刺激薬(メプチンエアー、メプチンスイングヘラー、サルタノール)を早めに、適切に使用してもらいます。
 それでも改善しないときにはプレドニゾロン(経口ステロイド)の短期間内服を勧めています。

 

COPDという病気が増加していると聞きますが、どのような病気でしょうか。治療法は。

 COPDはchronic obstructive pulmonary diseaseの略で、日本語では慢性閉塞性肺疾患と言います。以前は肺気腫と呼ばれていました。世界的な人口の高齢化と喫煙人口の増加により、増加の著しい病気で、現在世界の死亡原因の第4位にランクされ、21世紀の重要疾患の一つにされています。
 日本では40歳以上の12人に1人(8.5%)がCOPDであると言われていますが、400万人以上と推定される未診断患者の存在が大きな問題とされています。
 この病気の原因はタバコであり、代表的なタバコ病です。タバコにより肺が壊れてスカスカとなり、肺密度が低下し、肺がもろくなる病気ですので、骨がスカスカになる骨粗鬆症にイメージが似ていることより、COPDを「肺粗鬆症」と呼ぶ人もいます。

 COPDの70歳男性の胸部CT像(喫煙歴50年 1日20本)
 コンピューター処理により、肺が壊れて、穴が開いた部位を黄色くしています
 肺の横断面の大部分が黄色に着色し、正常な肺(黒い部分)は殆どありません

 
           正常の70歳男性の胸部CT像(喫煙歴なし)
  
 自覚症状は労作時呼吸困難、咳嗽、喀痰であり、診断は肺機能検査、胸部X線、胸部CTなどにより行います。
 残念ながら治療により壊れた肺を元に戻すことはできませんが、禁煙により進行が抑えられます
 薬としては、1)長時間作用型の抗コリン薬(エンクラッセ、スピリーバ)、2)長時間作働性吸入β2刺激薬(セレベント)、3)長時間作用型の抗コリン薬と長時間作働性吸入β2刺激薬の合剤(アノーロ)、4)長時間作働性吸入β2刺激薬と吸入ステロイド薬の合剤(レルベア、アドエア、シムビコート)などがあり、これらにより自覚症状や予後の改善が期待されます。
 心当たりの人は是非ご相談ください。

 

 

最近、階段を上がるとき、息切れがあります。肺の病気でしょうか。

 確かに、肺の病気がまずは思い浮かびますが、息切れを起こす病気は肺以外にも、心臓の病気や貧血、甲状腺機能亢進症、肺動脈血栓塞栓症、神経筋疾患など多くの病気があります。
 息切れを起こす肺の病気の中で、肺がん、胸水、間質性肺炎などは胸部X線などの画像である程度診断がつきますが、喫煙者に見られるCOPD(肺気腫)や慢性の気管支喘息などは肺機能検査や呼気NO検査などで診断していきます。
  

 

肺年齢とは何ですか。

 肺の呼吸機能は、20歳代をピークに加齢とともに低下します。現在の自分の呼吸機能が何歳にあたるのかを、簡単な検査で求めることができます。
 この年齢を「肺年齢」といい、長期間の喫煙で肺年齢があがることより、禁煙のきっかけになります。

 

いびきがひどく、起床時の頭痛や昼間の眠気があるのですが、睡眠時無呼吸症候群という病気でしょうか。

 睡眠時無呼吸症候群の可能性はあります。
 この病気は、いびき、夜間の呼吸停止、起床時の倦怠感や頭痛、日中の眠気や集中力の低下、夜間頻尿、居眠りによる交通事故などで疑われ、肥満傾向にある中年男性に多く、女性では閉経後に増加すると言われています。
 この病気は上気道、すなわち咽頭部の閉塞により起こり、その原因として、肥満に伴う上気道への脂肪の沈着、扁桃腫大、巨舌症などがあります。
 上気道が閉塞すると、呼吸が止り、酸欠状態を繰り返します。これは睡眠中に素潜りをしていると同じことであり、また、無呼吸から呼吸を再開させる度に脳が覚醒し、睡眠が分断され、睡眠時間は十分取っているのに、熟睡感が得られなくなります。
 このような状態が長く続くと、高血圧、糖尿病、心不全、脳梗塞、夜間突然死、認知症などを引き起こします。


 

睡眠時無呼吸症候群の診断について教えてください。

 この病気が疑われた場合、まずは入院せずに自宅で簡易検査を行い、一晩の睡眠を通しての無呼吸(10秒以上の呼吸停止)や、低呼吸(呼吸が浅くなる状態)の頻度をもとに診断していきます。
 1時間当たりの無呼吸数と低呼吸数を合わせたものを、無呼吸低呼吸指数と言いますが、この値が5以上の場合、睡眠時無呼吸症候群と診断します。
 無呼吸低呼吸指数5-15が軽症、15-30が中等症、30以上が重症とされています。
 

 

睡眠時無呼吸症候群の治療について教えてください。

 治療としては、1)生活習慣の改善、2)持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)、3)手術、4)歯科装具による治療があります。

1)生活習慣の改善
 減量や、飲酒の制限、禁煙、睡眠薬の制限などにより、睡眠時の無呼吸が改善します。

2)持続陽圧呼吸療法(CPAP療法、シーパップ療法)
 一定圧を加えた空気を、鼻から送り込むことによって、上気道の閉塞を取り除き、睡眠中の気道を確保する非常に有効な治療法です。中等から重症の睡眠時無呼吸症候群にはこの治療が第一選択になります。
 ①簡易検査で、無呼吸低呼吸指数が40以上であれば、健康保険が適応されます。 
 ②簡易検査で、無呼吸低呼吸指数が20以上、40未満の場合は、専門の施設に一泊入院して、睡眠状態をトータルにみる検査の結果で、健康保険が適応されます。
 ③簡易検査で無呼吸低呼吸指数が20未満の軽症の場合は、この治療法の保険適応はなく、生活習慣の改善や、歯科装具による治療が選択されます。


3)手術による治療
 気道閉塞の原因が扁桃腫大などの場合に限られます。

4)歯科装具による治療
 軽症の睡眠時無呼吸症候群が適応になります。マウスピースを作製して、下あごを前方に引き出して空気の通りを良くするものです。マウスピースの作製は歯科で行い、健康保険が適応されます。
 

インフルエンザ検査はいつするのがベストなのですか。

 検査が早過ぎると、ウイルス量が少なく、陽性に出ないことがあり、検査が遅すぎると治療のタイミングを逸します。
 一般には発症から12時間、半日過ぎてからが最適のタイミングと言われています。つまり、
朝からの発熱であればその日の夕方に、昼から夜にかけての発熱であれば翌日朝に、検査するのが望ましいと思われます。
 しかし、種々の要因でこの12時間以降の検査で陽性にならないことがあり、逆に発症後6時間以内の超早期に、陽性が出ることもあります。
 当院では高感度感染症診断システムでインフルエンザの診断を行っていますが、それでも100%正しく診断できるわけではありません。
 検査が陰性でも、臨床症状や周囲の感染状況からインフルエンザの薬を処方することはあります。




 

インフルエンザと診断されました。職場はいつまで休まないといけないのですか。

 大人の場合、休まないといけない期間は法律では決まっていません。
 子供の場合は、インフルエンザに罹った場合、学校を休まないといけません。これは学校保健安全法という法律で定められていて、インフルエンザ発症後、
5日間を経過し、かつ解熱後2日を経過するまでと決められています。この期間休めば、医学的に人にうつる可能性は低いということです。
 この規則に準じて、休む期間を決めている職場もありますが、いろいろな事情により、対応は職場によって違うが現状です。
 規定のない職場では、解熱し、普通に仕事ができる体力に戻れば、咳が出る間は咳エチケットとしてマスクをしながら、人に感染させない意識をもって復帰すれば問題ないように思います。
 一番問題なのは、高熱が出ていても病院を受診せず、無理して出勤し、知らず知らずのうちにインフルエンザを広げてしまう人がいることです。

 

微熱で、普通のかぜと思っていたのですが、インフルエンザと診断され、びっくりしました。
そのようなことはよくあるのでしょうか

 典型的なインフルエンザでは、咳、鼻汁、咽頭痛などのかぜ症状に加えて、急な38度以上の高熱や、だるさ、筋肉痛、関節痛などの全身症状が強くみられます。
 しかし、最近のインフルエンザの研究では、「発熱せず、鼻水やのどが痛いだけの軽症例」や症状が全くない「無症候性感染」の人が多くいるといわれています。
  微熱で、普通のかぜと思っても、特に、だるさや筋肉痛などの全身症状が強い場合には、インフルエンザを疑うべきです。

 インフルエンザの潜伏期間(症状がない時期)は、通常数日、長い場合でも1週間程度ですが、この潜伏期間においてすら感染するといわれていますので、軽症のインフルエンザの人が感染を広めている可能性があります。心配なら医療機関でのインフルエンザ検査をお勧めします
 尚、インフルエンザにおいて、嘔吐や腹痛、下痢などの消化器症状が主症状になることはまずありません。インフルエンザよりはノロウイルスなどによる嘔吐下痢症の可能性があります。